和光同塵の2つ目の解釈

『老子』を考える

みなさん。こんにちは。

この記事のきっかけは池田知久先生のある文から成り立っています。

この理解は「和光同塵」の正しい意味を肥えそこねた通俗的な解釈であり、我々は老子の真意がもっとも深い哲学・倫理思想を述べるところにあることを知らなければばらない。

池田知久.老子全訳注.2019.p33

ここで言われる真意とはどのような解釈なのでしょうか。

『老子』は一読した程度の自分ですが、一度考えていきたいと思います。

通俗的な意味は四字熟語として知られている

まずは通説です。

自分の才能・智徳をつつみかくし、俗世間に従いまじわること。

学研現代新国語辞典改定第五版

こちらは私が高校生の時に学校で購入した辞書に記載されていた意味になります。

四字熟語の意味としてはこちらの解釈が表現されていることが多いため、『老子』の思想を日本に輸入して読み解いた日から、こちらが通説となっていると考えられます。

更に老子は次のように述べています。

己の[鋭い頭脳を]挫いて、乱れた万物それ自体の中に融即し、己の[知恵の光を]和らげて、[塵のような混沌たる世界]と一つになった、

池田知久.老子全訳注.2019.p31

こちらは第四章から引用させていただきました。この文は

  • 己の[鋭い頭脳を]挫いて、[塵のような混沌たる世界]と一つになる→世俗間に交わる
  • 己の[鋭い頭脳を]挫いて、己の[知恵の光を]和らげて→世俗に従う

と解釈されていると考えられ、辞書の意味と比較しても相違ないと考えます。

2つ目の解釈

同じ文を別の角度から解釈してみます。

己の[鋭い頭脳を]挫いて、乱れた万物それ自体の中に融即し、己の[知恵の光を]和らげて、[塵のような混沌たる世界]と一つになった、

池田知久.老子全訳注.2019.p31

  • 挫く→勢いをそいで弱くする
  • 和らげる→おだやかにする、物腰をやわらかくする
  • 乱れた万物→無秩序、規則性のない
  • 塵→無数にある

このようなリストを作ってみると、解釈が変わると考えています。当てはめると

自分の[的確な考え方を]勢いをそいで弱くして、規則性のない万物それ自体の中に沿って、自分の[考え方の道筋を]おだやかに、物腰がやわらかい姿勢で、[無数にある考え方と]ひとつになった、

人の行動で表すと、自分や他人(AIを含む)の考える最適解をズバズバ言うのではなく、相手の考え方、状況にあった対応を穏やかにしていく

ということになるかと考えています。

本日は以上となります。ありがとうございます。

タイトルとURLをコピーしました