テストで思うような点数が取れず、先生に「この教材をやってみよう」と言われたけど、なんだか納得できないーーそんな経験はありませんか?
先生方も時間が許すのであれば、一人ひとりの生徒と話をしながらテスト分析、学習計画等々行いたいと考えているのではないでしょうか。
しかし時間内労働の中ですべてをこなすのはなかなか難しいのが現実です。
今回はなぜなぜ分析といった手法を知っていただくことで、先生がなぜその教材をおすすめしたのか等々納得の行く、理解につながってくれればと考えます。
まとめもありますので、時間のない方はそちらからご覧ください。
なぜなぜ分析とは?
今回は元塾講師のわたしが、実際に使用していたなぜなぜ分析を元に情報を紹介していきます。
もちろん文体の編集や個人情報に関わる部分はカットさせていただいて、
さっそく数学のテスト振り返りと次の方針決めを目的としたなぜなぜ分析を見ていただきます。
なぜなぜ分析を使う利点としては
- 私は才能がないから数学ができないんだ
- 次は得意分野だから目標達成できるはず(多分)
といった結果には陥らないことにあります。
実際の分析事例
まず資料から読み取れる事実確認をしてきます。

※補足 なぜ3の”初見の…”は事象2のなぜ2からの分岐です
議題は”なぜ数学で60点を獲得できなかったのか”
事象1は基礎問題、事象2は応用問題にフォーカスして根本原因を探っています。
今回はお試しで事象1の続きを見ていきます。
なぜ1の原因は2つに分岐していて、
- 後半分野の学習が進んでいなかったこと
- 計算ミスがあったこと
1つ目の分岐は更になぜ3で
後半分野はテスト1週間前にしか授業で触れなかった
と記載していました。
なぜなぜ分析における”書かない”という選択肢
次に事象1に対する解釈、感想、アドバイスです
まず解釈、感想的なところで
なぜ3の記述は事前にヒアリングしていない限りは、生徒さん目線でしかわからないことかなと考えていました。
テスト範囲は二次関数だけと思っていたら図形が入ったとか、中学生であれば合同だけだと思っていたら直前に相似も入ると言われたとか
そういうケースも想定はできますが、今回は違いました。
またアドバイス的なところでは、
なぜ4は必要ないことです。
いつも「あくまで個人的なアドバイスだけど」といって入るのですが
自分でどうしようもないことは、原因に上げても仕方ないといった観点で記述いただいています。
ですので、直前に言った先生が悪い。私のクラスは授業スピードが遅いといった内容は話し合いの上
資料から削除させていただいております。
対策の立て方と優先順位
先程取り上げた例のように、それぞれ根本原因が定まったら、次は対策です。
まずは事実の確認からです。
根本原因
①後半に習った内容は理解が追いつかなかった
②計算スペースが無かった
③応用問題で理解できない問題は放置していた
④初見の問題は解き方に検討もつかなかった
まずはこの①〜④に対して対策を話し合っていきます。
つまり、まずは対策を出し切ることが重要です。
以下それぞれの番号から出た対策です。
①復習だけではなく、予習も進めていく(生徒さん)
①進みが早いクラスの進捗を聞く(私)
①テストが近くなってきたら予習を進める
②字をきれいに書く(嫌々)(生徒さん)
②先生に次から計算用紙をもらえないか聞く(私)
②途中式を減らす努力を行う(私)
③ワークの応用問題の解き方を覚える(生徒さん)
④その分野の入試問題を解いたりしてみる?(嫌そうでした)(私)
④捨てる(生徒さんと私)
以上のように対策が出揃いました。
表題の通りこれらすべての対策をする必要はなくて、
特に自分は文系で、数学は平均点さえ狙えれば良いという状況であれば
必要な対策に絞って今後の対策に活かしていただきます。
優先順位表の作成(ラストスパート)
ここまでが根本原因から対策までの流れとなっていまして
普段の面談でしたら、見直しの意味も兼ねて
次に優先順位表を作るよう宿題を出すところになります。
優先順位表とは、先程出した対策が
現実的か、非現実的か
簡単にできるか、難しいか
など明らかにして、見える化していくものとなります。
まとめと活用のヒント
今回はなぜなぜ分析を紹介しました。
なぜなぜ分析を使う意義としては、より正確な原因に迫って勉強の方針を決められることにあります
作り方は議題に対する原因をいくつか上げて、更にその原因を掘り下げていきます。
虫歯になったのはなぜかを考えると
一時的な思考として、甘いものを食べてから歯を磨かなかったからと考えられますが
- 歯を磨かなかったから→寝る直前に食べたため、睡魔に襲われたから
- 甘いものを食べたから→栄養素を取る必要があったから
上記のように考えていくと
甘いものを食べたのは、栄養素を取るために必要なことで
寝る直前に食べると歯を磨きづらいということがわかります。
甘いものを食べるのをやめなさい!歯を磨きなさい!で終わることなく
「眠たいときは歯を磨いて、食事をしないようにしよう。」と対策を勉強の、生活の質の向上につながれば幸いです。
では、